血で作る食べ物?アンモニア臭の発酵食品?羊の胃袋料理?世界の珍しい食べ物、不思議な食べ物

皆さんは日々、どんなものを食べて暮らしていますか?お米大好きの人。パン派だよ、という人。麺に目がない人。中には炭水化物は摂らないよという人も居るかもしれませんが、多くの方は、ご飯、パン、麺類などを中心に色々食べているかと思います。主食がご飯やパンの場合は何かしらおかずと共に、麺類の場合もパスタや焼きそばなどならば、一緒に野菜や肉、魚介類、きのこなどが入っていることも多いでしょう。ラーメンやうどんなら、トッピングとして、肉や野菜、海苔、練り物、天ぷらなどが乗っているかもしれません。いずれにしても、日々食べているものは料理にしても食材にしても、馴染のものがほとんどなのではないでしょうか。

だからこそ、旅行や仕事などで他の地域に行くと、珍しいものや面白い食べ物があって驚きや興奮、感動がありますよね。国内でも自分がふだん暮らしている所から離れれば離れる程、その傾向は強まりますし、海外へ出かけた場合はなおさら。

戦後、私達の食卓は随分と西洋化したとはいえ、ヨーロッパやアメリカに行けば珍しい食べ物、知らない食べ物はまだまだありますし、アジアやアフリカ、南米、中東などに行けば、見たこともないもの、聞いたこともないようなものに遭遇することもしばしば。というわけで今日は、日本ではあまりお目にかかれない、珍しい食べ物、不思議な食べ物を集めてみました。

血のソーセージ

モルシージャ
モルシージャ

海外によく行かれる方ならご存知かもしれませんが、世界には「血」を使った料理が数多くあります。中国、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インド、ヨーロッパに中南米などでは、豚や牛、羊、アヒル、鶏などの血が様々に調理され食されているのです。その代表的な料理の一つが「血のソーセージ」。「血のソーセージ」と聞くと初めて聞く方はびっくりすると思いますが、これが意外にも美味しいのです。元々は、食べ物が潤沢に手に入らなかった時代に肉だけではなく、臓物や血までも一切無駄にしないで食べようと思った人々の知恵が生み出した料理である、とか、貴重な家畜を屠る際に感謝して血を用いた料理を作って食べたなどといわれますが、その味は「もったいないから仕方なしに料理に入れて無理にでも食べた」というようなものではなく、肉や脂身、オオムギやソバの実、そしてハーブや香辛料などが入った、旨味と香りと味わいのある立派な料理の一つなのです。スペインや南米の「モルシージャ(モルシーリャ)」、イギリスの「ブラックプディング」、ドイツの「ブルートヴルスト」などが有名。地域によって、用いられる材料や見た目、調理方法などにはバリエーションがあり、その味わいも多少異なります。一度食べてみて苦手でも、他の地域で食べたら好きになったなんて話もあるので、機会があったら何度か試してみることをおすすめします。

アンモニア臭のするサメの発酵食品

ハカール
ハカール

サメの肉を食べたことがある方ならお分かりだと思いますが、サメの肉は少しでも鮮度が落ちるととても臭くなります。それは肉にアンモニア成分(尿素)が含まれるから。日本を含むサメを食べる地域では、このアンモニア臭を抑えるために、(臭いがきつくない)新鮮なうちにそのまま、または濃いめの味付けをして、もしくは塩漬けや乾燥させて食べますが、このアンモニア臭を思いっきり増大させて食べる「食べ方」「料理」も世界にはあるのです。その一つがアイスランドの「ハカール(ハウカットル)」。ハカールはツノザメ目の「オンデンザメ」や「ニシオンデンザメ」を下処理してから土の中に埋め、それから軒下などに数か月つるし、乾燥させて作ります。アンモニア成分のお蔭で腐りにくく長期保存ができる為、バイキングの時代には貴重な保存食とされていたとか。現在ではスーパーマーケットなどでも売られている、アイスランドを代表する発酵食品として知られています。このハカール、とにかくアンモニア臭が強いのが特徴で、初めての人にはかなりチャレンジングな味わい。日本でいうところの「くさや」のような位置づけの食べ物でしょうか。サイコロ状に切ったこの「ハカール」を、「ブレンニヴィン(Brennivín)」と呼ばれる、ジャガイモとキャラウェイシードで作られる蒸留酒と一緒に食べるのがアイスランド流。「ブルーチーズの100倍臭い」とも評されるほどの匂いのきつい食べ物ながら、一度クセになると病み付きになるという様々な意味で強烈な食べ物なのです。

ピンク色のスープ

シャルティバルシュチャイ
シャルティバルシュチャイ

日本に住んでいると「ピンクの食べ物」といえば、どちらかというと一般的にはスイーツ、お菓子のイメージでしょうか。いちご、またはラズベリーやブルーベリーのジャムやアイスクリーム、ヨーグルト、チョコレートにマカロン。和菓子なら桜もちに三色団子。赤かぶやハム、でんぶなどもありますが、「ピンクの食べ物」というとスイーツやお菓子を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。しかし、「鮮やかなピンク色でありながらスイーツではない食べ物」がリトアニアにあるのです。それがシャルティバルシュチャイ(シャルティバルシェ・シャルティボルシェチャイ)。呼び名やレシピなどは多少異なりますがリトアニア以外に、他のバルト諸国やウクライナ、ロシアなども食べられているスープで、ビーツをはじめ、キュウリや卵、ディル、チャイブなどのハーブ類と、ケフィア、牛乳(またはサワークリームかヨーグルト)などを材料に塩胡椒ビネガーなどで調味して作られます。ビーツの赤と、ケフィア(牛乳・クリーム)の白色がまじりあって写真のようなショッキングピンクに近いピンク色に。初めて見る人には文字通り「ショッキング」なピンク色をしたこのスープですが、その味はというと見た目ほどの強烈さはなく、どちらかというと優しい味。食欲の落ちる暑い日でもさっぱりと食べられる夏向けのヘルシーなスープです。

羊の胃袋

ハギス
ハギス

内臓(モツ)を使った料理は日本にも色々ありますが、羊の胃袋を使った料理が、スコットランドの伝統料理・郷土料理・名物料理である「ハギス」です。羊の胃袋に、ミンチにした羊のレバーや心臓、腎臓などの内臓と刻んだ玉ねぎ、オーツ麦(オートミール)、牛脂、ハーブ、香辛料などを詰めて茹でたもので、スコットランドではパブなどで提供されているほか、肉屋やスーパーなどでも売られているポピュラーな食べ物。スコッチウイスキーとも縁の深いスコットランドを代表する料理の一つです。「羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でた料理」と聞くと、知らない人ならば少々グロテスクなものを想像してしまうかもしれませんが、実際には、(見た目は多少グロテスクに見えないこともないですが)とても味わい深い、奥行きのある美味しい料理です。

 
 
 

いかがでしたか?最近は、海外まで足を運ばなくても色々な国のレストランも有りますし、大都市のみならず地方にも珍しい食べもの、食材を扱った海外の食材店もあります。時間があったら是非今まで行ったことのないレストランに足を運んだり、外国食材を扱っているお店を覗いてみて下さいね。

JapanFile編集部

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