ウユニ塩湖は本当に美しいのか?ウユニに行くと人生が変わるのは本当!?
「世界一の絶景」「その景色を見て人生が変わった」など多くの人に絶賛されるウユニ塩湖の風景。かつては知る人ぞ知る穴場でしたが、テレビや雑誌、SNSなどで取り上げられて、多くの人が知る絶景スポットに。今や日本人にも人気の目的地の一つになっています。
そもそもウユニ塩湖とは、「ウユニ塩原」という、ボリビアに位置する世界最大の塩の平原で、その広さは約1万平方キロメートルに及び、地平線まで続く真っ白な塩の広がりはまさに圧巻。とはいえ乾季にはただの塩の平原なのですが、12月~3月の雨季になるとあまりに平坦なために水が溜まり湖のようになるので「ウユニ塩湖」と呼ばれるのです。
そして、その広大な湖のようになった「ウユニ塩湖」は風がない時には鏡面のようになって、別世界にいるかのような幻想的な美しさとなるのです。昼間の青空ももちろん、夕日が反射する様子や夜の星空など、他ではなかなか見ることのできない絶景を見られるスポットとしてSNSでバズり、今や世界でも有名な絶景スポットの一つになりました。
有名になればそれだけ多くの人が足を運ぶわけで、直接間接的に様々な噂を含めた話が入ってきます。「ウユニ塩湖のそばにあるホテルが日本人出入り禁止になった」とか、「ウユニ塩湖に行って地獄を見た」など、穏やかではない話も耳に入ってきます。それは一体どういうことなんでしょうか。
まずはウユニ塩湖(ウユニ塩原)の詳細についてみてみましょう。
◇場所: ボリビア
◇大きさ:表面積は10,582平方キロメートル。琵琶湖の約18倍、東京都の約5倍!
◇最寄りの町:ウユニ
◇最寄りの空港:ウユニ空港(インテルナシオナル・ラ・ホヤ・アンディナ空港)
1. 唯一無二の景色
その広大な白い塩の平原がどこまでも続く風景。雨季にはウユニ塩湖の表面に水が溜まり、巨大な天然の鏡となります。鏡のような水面に空や雲が映る「鏡面効果」で、空と地面の境界が曖昧になり、不思議で幻想的な絶景になるのです。
2. 美しい夕日と星空
鏡面のような水に反射する夕日の美しさは格別。色彩のグラデーションは、ただただ息をのむほどの美しさです。夜になると、星空の絶景が広がります。標高が高く空気が薄いので晴れていれば星が良く見えます。まるで宇宙に浮かんでいるような錯覚に陥ります。
3. 自然と野生生物
ウユニ塩湖周辺には、フラミンゴやリャマ、ピクーニャなどの野生生物が生息しており、タイミングが良ければこれらの動物を間近で観察することができるかもしれません。特に、ピンクフラミンゴの群れは、白い塩の平原に鮮やかな色彩を添え、訪れる者に忘れられない光景をみせてくれます。
4. 独特の地質と鉱物
ウユニ塩湖は、世界最大のリチウムの供給源の一つでもあります。この地域はかつて巨大な湖であり、その干上がった跡地が今の塩の平原を形成しています。塩の下には豊富な鉱物資源が埋蔵されており、地球科学の面でも非常に興味深い場所なのです。一説にはウユニ塩湖には世界のリチウム埋蔵量の約半分があるともいわれ、リチウムの重要な供給源となっています。リチウムは電池などの電子機器に不可欠な素材であり、近年その需要が急速に高まっています。一方で、ウユニ塩湖のリチウムはマグネシウム濃度が高いため、抽出が難しいという話もあります。
5. 文化と伝統
ウユニ塩湖の周辺には、ボリビアの伝統文化を色濃く残すコミュニティが存在します。訪れることで、地元の人々の生活や文化に触れることができ、独特の文化体験をすることが可能です。
ウユニ塩湖は本当に美しいの?
基本的に行く時期が合っていて、天候さえよければ美しい風景を見ることができます。一つ注意しなくてはいけないのは、鏡のように見えるのは「雨季」ということ。乾季にウユニに行っても、一面塩の平原、まさに本来の「ウユニ塩原」の風景を目にすることになります。それはそれで美しいのですが、やはり鏡のような風景が見たいのであれば、雨季のある程度水が溜まっている時に行かなくてはいけません。
ウユニ塩湖に行って地獄を見た
「ウユニ塩湖に行って地獄を見た」と聞くと驚く人も多いでしょう。これには明確な理由があります。そう、それはウユニの標高がとても高いということ。富士山の山頂とほぼ同じ3700メートルの場所にあるのです。なので、高山病にかかりやすい人や体調の良くない人、水分をあまりとらない人などは高山病にかかり、大変な思いをするケースがあります。高山病にかからないようにする方法はいくつかありますが、最も確実で、最も大切なのが高度順応(高度順化)です。これは普段平地で慣れている身体を酸素の薄い高地の環境に慣らすこと。具体的には、いきなり高度を上げるのではなく、1日~数日程度かけて標高を上げていきます。そうすると身体は少しずつ慣れて高山病にかかりにくくなるのです。(体質などもあるので、一概には言い切れません。)
日本からのツアーなどであれば、高度順応に関しても考慮してくれますし、酸素ボンベを用意してくれるなど、対策を取ってくれるので安心です。
「ウユニ塩湖のそばにあるホテルが日本人出入り禁止になった」
日本でウユニ塩湖が話題になり、長期旅行者も含めて沢山の日本人がウユニ塩湖に訪れるようになった2000年以降、特に2010年代以降、雨季の時期のウユニ塩湖そばのホテルは8割以上が日本人で埋まるなど、大変な人気となっています。基本的に日本人はマナーが良いとされますが、中にはルールを守らない人などもいて、それが故に一時期、「日本人おことわり」というような雰囲気があったのは確かなようです。例えば水の利用法。日本では毎日必ずお風呂に入る、シャワーを浴びる、というような人も、ウユニに行くのであれば、1日~2日程度はお風呂を我慢するくらいの覚悟が必要です。日本のように常に水が潤沢にあるわけではない場所は世界には多く、ボリビアも高地に位置しているため、水は貴重です。基本的に乾燥しているので汗をあまりかくことがない、という理由もありますが、現地の人は日本人のように毎日お風呂に入るわけではないのです。そこに、日本人が大挙して押し寄せ、じゃぶじゃぶとお水を使ったらどうなるか。「私一人くらい使ったって大したことないよね」と皆が思っていたら、大変なことになります。天空の絶景を見に行くのですから、少しくらいの不便を気にしない気持ちで行くと、より楽しめると思います。
ウユニ塩湖 まとめ
ウユニ塩湖の魅力は、その圧倒的な美しさ、独特の自然環境、そして地元の食事や音楽、服飾など文化との出会いです。他に類を見ない壮大な自然の風景を見ることができ、知らない文化に触れることができて、様々な感動とインスピレーションを与えてくれるでしょう。まさに一生に一度は訪れる価値のある場所ともいえるかもしれません。
しかし、一方で標高の高い場所にあるため、高山病になりやすいなどのリスクがあるほか、日本と比べれば治安が良いとはいえないボリビアにあるため、とくに個人で行かれる方は、十分気を付けてくださいね。
バックパッカーをしている方(していた方)ならよくわかると思いますが、旅慣れてきても、ちょっとした気のゆるみで狙われたり被害にあったりします。ましてや、あまり旅に慣れていない方が、SNSで話題だから、というだけであまり意識せずに気軽に行ってしまうと、被害にあったり、嫌な気持ちになってしまう体験に遭遇しないとも限りません。あまり旅に慣れていない人はツアーで行くのもおすすめです。「今年こそはウユニ塩湖に行くよ!」という方は、十分に気を付けて楽しんでくださいね。